値引きの功罪
しちゃいけない値引き
今回は値引きがもたらす、
その後のビジネスへの影響について話しましょう。
担当営業から、
強い値引きの申請がありますよね。
今月の売上実績を積み上げたいとか、
競合の価格に勝てないとか、、、
色々な理由をつけての値引きの申し出を
受けた経験をお持ちだと思います。
値引きは、その案件を獲得するには
必要な手段と云うのも良くわかります。
しかし、そんな中、
一番しちゃいけない値引きがあります。
ベンダーが値引きする理由は、
パートナーの利益を守るための値引きです。
が、多くの場合、
パートナーの営業マンは
最終エンドユーザーの
案件を獲得するため、
値引きを行っているようです。
「値引きの意図」が理解されないまま、
その値引き額を100%反映した見積額を
クライアントに提示した事例を見かけます。
つまり
最終ユーザー以外の関わった誰もが
「メリット」を享受されずに、、、
ただ単に「誰よりも安く提供できた」に
しかならない値引きです。
結果として、
その商材やサービスの提供価格、
価値だけが下がり、
その値引きを見込んだ低い”価格”が、
ふだんの仕入れ値、価格として定着してしまう。
最終ユーザー側の購入担当者は
「安く買い叩いた」との
満足感、達成感でいっぱいでしょう、が
安く買ったからといって
彼/彼女の上司は
褒め称えてくれる訳でもありません。
上司にとっては、
どこの業者から買い付けるのが
目的ではりません。
予算枠内で 買い揃えたとの
実績で十分な訳です。
この値引きのプロセスでは
購入担当者以外 喜んだ者はいません。
この「悪い影響」を考えるならば、
誰もが「得しない」値引きに
応じる必要はないと思えませんか?
ここまでの話では、
値引きと云う「儲けが少なくなる」こと
だけの話でした。が、
もっと深刻に受け止めて欲しい、
ずっとネガティブな影響について紹介します。
パートナー側の営業とあなたが
この「値引き」に関わった場合、
どのくらいの工数と手間とコストを投入したか、
考えたことがありますか?
あなたが考えている以上に関係各署に強い、
悪い影響を与えてしまった訳です。
そうです、値引きには不要なコストが
かかっていると云うことですね。
この値引きに関わったのは誰と誰と誰で、
彼らの時間単位のコストがいくらになり、
どのくらいの時間をこの値引きに
提供? 奪われたか?
全ての人件費コストまでを
算出したことがありますか?
(大袈裟かもしれませんが、働き方にも影響を及ぼします)
値引きは多岐にわたるネガティブな
影響があると云うことを
改めて理解してもらいたいのです。
また、「値引きか?」と不機嫌な顔する前に、
値引きを申請にきた営業のスキルを疑う前に、
単なる「値引き」だと扱うことの愚かさを
説いて、あげてください。
販売しても、
売上を増やしても、
喜べない!
利益が増えない以上に、
コストが増えてします。
会社の求めている利益が少なくなり、
結果として 働く方の報酬を引き上げられなくなる。
「負」や「ダメージ」は戻ってきます。
詳しく、丁寧に説いてあげれば、
安易な値引き(=利益が減る)の相談も
少なくなるのではないでしょうか?
良い値引き
一方では、全体的に良い影響を
もたらす「良い値引き」も存在します。
その一部の値引きを承諾することで、
提案の全てが、あるいは
以降のビジネスの広がりに強い影響がある。
理由も背景も説明、確信もてるなら、、、
「承認」しましょう。
また、
もしソリューション販売である場合、
この値引きでパートナーが提案していたソリューションを
一括受注することに通じるのであるなら、
効果の高い値引きと云うことになります。
部分最適化を行うだけで、
利益を最大にする、
「戦いに勝てる」値引きとなります。
だから、担当者レベルでのやり取りで片さず、
互いの上司の立会いのもとで、
実践してください。
この値引きの商談のプロセスを通じて、
コミュニケーションが豊かになり、
さらにパートナーとより
強い信頼関係構築につながります。
ぜひ、時間をひねり出して、
「値引きの功罪」、
「値引きの手間とコスト」に
向き合ってください。